倒産しにくい保険会社はソルベンシー・マージン比率でチェック

生命保険契約者保護制度があるとはいえ保護には限度がありますし、やはり契約する生命保険会社が破綻しないに越したことはありません。どのように生命保険会社を選べばよいのでしょうか?

一つの目安となるものが「ソルベンシー・マージン比率」です。これは通常の予測を超えるリスクに対してその生命保険会社がどれくらいの支払い余力を持っているか表しています。

【ソルベンシー・マージン比率(%)の計算式】

支払い余力(マージン)の総額÷(通常の予測を超えるリスク÷2)×100

支払い余力の例:資本金、価格変動準備金、危険準備金など
通常の予測を超えるリスクの例:運用環境の悪化、金利の低下など

出所:金融庁 ソルベンシー・マージン比率とは?

生命保険会社は通常予測できるリスクの範囲内なら責任準備金で問題なく保険金を支払えるはずです。しかし通常の予測を超えるリスクが起きた場合、自己資本や準備金などで対応しなければいけません。つまりこの数値が高いほど保険金を支払う能力が高い健全な生命保険会社だと判断できるのです。

ソルベンシー・マージン比率の基準は一概にはいえませんが、最低でも200%を下回ってはならないと定められています。ちなみに破綻した東京生命保険は446.7%でした(2000年3月期)。

出所:金融庁 金融担当大臣談話─東京生命保険相互会社について─

これの数値を参考に生命保険会社を選んでみてください。もちろんソルベンシー・マージン比率だけでなく、自己資本や格付けなどもチェックし総合的に判断することが大切です。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。