日本電信電話(以下:NTT)は2023年5月、1:25の株式分割を発表しました。従来の25分の1の資金で買えるようになったため、投資家の拡大が予想されています。新たに投資を検討している人は少なくないでしょう。
【NTTの業績】
売上高 | 純利益 | |
2022年3月期 | 12兆1564.47億円 | 1兆1810.83億円 |
2023年3月期 | 13兆1361.94億円 | 1兆2131.16億円 |
2024年3月期(予想) | 13兆0600.00億円 | 1兆2550.00億円 |
※2024年3月期(予想)は、同第1四半期時点における同社の予想
出所:NTT 決算短信
【NTTの株価(月足、2020年7月~2023年7月)】
NTTは収益性と市場評価性の高さが認められ「JPXプライム150指数」に選ばれています。今回は通信業界のリーディング企業、NTTにフォーカスしてみましょう。同社の事業内容や次世代ネットワーク構想「IOWN(アイオン)」、さらに配当金と株主優待について紹介します。
33万人が働く国内最大の通信グループ
NTTは1985年、通信事業の民営化に伴い誕生しました。1988年にはNTTデータが、1991年にはNTTドコモが設立され、次第に巨大なグループを形成します。
現在、NTTグループは918の子会社と145の関連会社で構成されており、従業員の数は33万人にも上ります(2023年3月末)。時価総額(※)は情報通信業で最大、上場企業全体でも3位に入る国内屈指の大企業です。
【事業別の従業員数(2023年3月末時点)】
主な子会社 | 従業員数 | |
総合ICT事業 | NTTドコモ | 4万7151人 |
地域通信事業 | NTT東日本 NTT西日本 |
7万0317人 |
グローバル・ソリューション事業 | NTTデータ | 19万5106人 |
その他(不動産・エネルギー等) | NTTアーバンソリューションズ NTTアノードエナジー |
2万6077人 |
合計 | ─ | 33万8651人 |
出所:NTT 有価証券報告書
【時価総額ランキング上位3銘柄】
・1位:トヨタ自動車(38兆6746.78億円)
・2位:ソニーグループ(15兆1455.92億円)
・3位:NTT(14兆7506.46億円)
・参考)8位:KDDI(9兆6852.08億円)
・参考)11位:ソフトバンクグループ(9兆5049.89億円)
※2023年8月16日終値時点
出所:日本経済新聞 日本株ランキング
通信業界の巨人として君臨するNTTですが、近年は通信サービス以外の伸びが顕著です。システムインテグレーション(※)や不動産・電力販売などが成長しており、音声通信やデータ通信の停滞を補っています。
※システムインテグレーション:顧客企業にシステムの設計や構築、保守などを行うサービス
【サービス別の売上高】
2022年3月期 | 2023年3月期 | 増減率 | |
固定音声関連 | 9161億円 | 8712億円 | -4.9% |
移動音声関連 | 1兆1025億円 | 1兆464億円 | -5.1% |
IP系・パケット通信 | 3兆4448億円 | 3兆4440億円 | -0.0% |
通信端末機器販売 | 6947億円 | 7562億円 | 8.9% |
システムインテグレーション | 4兆0081億円 | 4兆5465億円 | 13.4% |
その他 (不動産賃貸、電力販売など) |
1兆9902億円 | 2兆4720億円 | 24.2% |
出所:NTT 有価証券報告書