ホンダはソニーやGMとの協業し、EV化を加速
ホンダは他の国内自動車メーカーに先駆けて、21年4月に40年の新車販売をEVとFCVだけにする“脱ガソリン車”の方針を表明している。24年に軽自動車のEVを発売し、30年にはEVとFCVの比率を先進国全体で4割、35年には同車の比率を先進国で8割とする戦略だ。20年にはフォーミラ・ワン(F1)からの撤退を表明した際にも、理由をリソースをカーボンニュートラルに向けて注力するためと説明している。提携関係にある米国のゼネラルモーターズ(GM)とは24年に北米でGMと共同開発したEVを投入を予定するなど、EV関連でも協業をしていく構えだ。
さらに3月4日にホンダはソニーと高付加価値なEVを共同開発・販売し、モビリティ向けサービスの提供や事業化をしていく基本合意書を締結した。今後、協議を重ねて22年中の新会社設立を目指す。EVの初期モデルの販売開始は25年を想定し、ホンダが製造を担う予定だ。ホンダが培ってきたモビリティの開発力、車体製造の技術やアフターサービス運営の実績とソニーが保有するイメージング・センシングや通信、各種エンタテインメント技術などの開発・運営の実績を持ち寄ることで、新しい時代のモビリティとサービスの実現を目指す。
各社ともEV戦略の加速を鮮明にしているが、戦略・位置づけは異なる。トヨタはEV化に大きく舵を切ったが、電動化投資の8兆円のうち、EV以外の4兆円はプラグインハイブリッド車(PHV)やFCVなどに使うとして、従来より掲げている全方位戦略を崩さず、多様な市場・顧客のニーズに答えられるようにフルラインナップで取り組んでいく方針だ。
日産は脱ガソリンを加速させ、アライアンスも最大限に活用しながら、欧州を中心にEV・電動化率を高めていく。ホンダは40年エンジン車販売禁止を先に表明して逆算をしながら進めていく方針だが、規制強化など外部環境の変化によっては、計画の前倒しも視野にいれる。