新しいくじの導入

スポーツへの助成に役割を果たしてきたスポーツくじですが、近年のコロナ禍によりさらに貢献が求められています。新型コロナウイルスの影響による大会中止や観客制限などで、スポーツの団体は大幅な減収にあえいできました。雇用の維持も容易ではありません。そこで、スポーツくじの売り上げ増を狙い、2020年12月に「スポーツ振興投票法」が改正されました。改正の主な内容は以下の通りです。

1.くじの対象にバスケットボールのBリーグが加わる
2.サッカーもバスケットボールも1試合の結果を予想する「単一試合投票」などくじの種類を増やす

1試合のみの結果を予想する単一試合投票は、以前から要望がありました。しかし、単一試合投票は、欧州サッカーや日本のプロ野球などで八百長の温床になってきました。実際に導入されて健全な運営が続けられるか、懸念する声も聞かれます。

スポーツくじで身を滅ぼす人はいない?

スポーツくじに反対で「すぐにでも廃止すべき」という人は、今でも一定数います。反対理由はスポーツくじのギャンブル性ですが、推進派は「スポーツくじはギャンブルではない」と主張しているようです。

今までのところ、スポーツくじのために借金までするようなケースは聞いたことはなく、問題視するほどではないでしょう。当たる確率が極めて低いため、スポーツ振興のための寄付と考える人もいるかもしれません。

今後は英国式に「toto」を買って予想を楽しむ人が増えると、スポーツ興行の活性化にもつながるのではないでしょうか。

執筆/松田聡子

明治大学卒業後、ITエンジニア、国内生命保険会社での法人営業を経て、2007年より独立系FPとして開業。コンサルティングの他、企業型確定拠出年金講師や執筆活動に従事。人生100年時代を最後まで自分らしく生きるためのお金のアドバイスと情報発信がライフワーク。日本FP協会認定CFP、DCアドバイザー、証券外務員二種。