売り上げはBIGが圧倒的に多い

「toto」と「BIG」の売り上げはどちらが多いか気になる人もいるでしょう。2020年のスポーツくじの売り上げは以下の通りでした。

出所:独立行政法人日本スポーツ振興センター「ニュースリリース(令和3年3月30日)」

サッカーくじは当初「toto」のみでスタートしましたが売り上げが伸び悩み、2006年に「BIG」が導入されました。以来「BIG」の売り上げが全体の90%前後を占めるようになったのです。

「toto」の予想は面倒な割に当せん確率が低いのが、不人気の理由の1つです。また、予想がいらない「BIG」はサッカーファンだけでなく、宝くじファンにも支持されていると考えられます。

スポーツくじの収益による助成

サッカーくじの収益からの助成は2002年にスタートし、2021年6月までに約2188億円の助成が行われてきました。また、約1020億円を国庫に納付し、国のスポーツ振興に関連する事業などに活用されています。助成の対象には東京オリンピック・パラリンピックなども含まれ、サッカーくじは導入の目的を果たしてきたといえます。

日本とは違う海外のスポーツくじ事情

「toto」の語源は、イタリア語の「トトカルチョ」(サッカーくじ)です。サッカー先進国である欧州や南米では日本で「toto」が始まる前から、さまざまなスポーツくじが行われています。つまり、日本のサッカーくじは、海外のスポーツくじに倣って導入されたのです。一口にスポーツくじといっても、国によって国営や民営など運営方法もさまざまです。

英国のブックメーカー

日本では、賭博が刑法で禁止されています。しかし、英国ではブックメーカーという政府から公認された賭博業者がいて、上場企業もあるほどです。プレミアリーグのクラブチームの胸スポンサーになっているブックメーカーもあります。

サッカーが日常に根付いている英国では、プラスアルファの楽しみ方としてサッカーくじが普及しています。サッカーくじに投じる金額は少額でもリアルなお金を賭けるので、当てるための情報収集に力が入るのです。くじを買う人のサッカーへの関心が自然に高まり、観客動員などにもつながるというわけです。