2022年4月から「47万円基準」に

「年金制度改正法」で、この28万円基準が緩和されます。

2022年4月より基準額が47万円に変わり、(1)(2)(3)の合計で47万円を超えた場合、その超えた部分の2分の1がカットされることになります。これは65歳以上の在職老齢年金制度の基準額と同じ基準額となります(65歳以上の基準額については改正なし)。合計が47万円を超えなければ、在職老齢年金制度による支給停止はありません。

改正後:60歳台前半の在職老齢年金制度(年金の支給停止月額の計算式)

年金の支給停止の前提条件:
・(1)年金の月額、(2)給与の月額(標準報酬月額)、(3)直近1年の賞与(標準賞与額)の1/12の合計が
47万円超
・(1)(2)(3)の合計が47万円を超える場合は下記計算式で支給停止月額を計算
・(1)(2)(3)の合計が47万円以下の場合は支給停止はなし(年金は全額支給)

計算式
年金の支給停止月額=((1)+(2)+(3)-47万円)×1/2


※ (1)を基本月額、(2)+(3)を総報酬月額相当額と言います。
※ 65歳以降の在職老齢年金制度も同様の計算方法です((1)は老齢厚生年金の報酬比例部分が対象)。

先ほどの計算例に登場した条件で再び計算してみましょう。

(1)が11万円、(2)が41万円、(3)が0円で合計52万円となれば、47万円を超えるのは5万円ですので、その2分の1の2万5000円がカットされる計算となります。28万円基準では11万円の年金全額がカットされていたのが、47万円基準では2万5000円のカットとなり、残り8万5000円は支給されることになります。改正後は給与41万円を受け取りながら、8万5000円(11万-2万5000円)の年金が支給される計算となります。年金の多くが受け取れる結果、月の合計収入で49万5000円、年収で換算すると合計594万円(49万5000円×12カ月)となります。