2022年の株式市場は波乱の幕開けとなった。米S&P500指数における1月初めから終わりにかけての騰落率はマイナス5.3%と大幅下落を記録。日経平均株価も1月を通してマイナス6.2%となり、約1年10カ月ぶりの下げ幅を見せた。株価調整の背景には、記録的なインフレーション(物価上昇)に対応すべく、米国を中心に金利引き上げの動きが加速していることも挙げられる。

株式市場が落ち込むなかで話題なのが、個人投資家に人気の「レバレッジ型投資信託」の暴落だ。とくに「レバナス」の愛称で親しまれる、株式指数の一つであるNASDAQ100に連動した商品は年初から純資産額を20%以上減らしている。今回は相場の下落局面に弱い、レバレッジ型投資信託の仕組みやリスクを解説していく。

参照指数に対して数倍の価格変動を目標とするファンド

レバレッジ型投資信託とは、株式指数など特定の指数の騰落率に対して、1日の値動きが数倍となるように設計された金融商品だ。公募投資信託のほか、株式市場で取引される上場投資信託(ETF)も指す。

例えば東証株価指数(TOPIX)の2倍の値動きを目標とする商品の場合、同指数の終値が前回の取引日と比べてプラス2%を記録したときはプラス4%。反対に指数がマイナス2%となった際はマイナス4%となる。

相場の上昇局面に高い利益を狙える一方、下落トレンドに転じた場合の損失も大きい、ハイリスク・ハイリターンな投資商品といえるのだ。

なお、レバレッジ型投資信託の多くは株価指数などの「先物」を対象として証拠金取引を行い、投資家から預かった資金以上のパフォーマンスを発揮することを目指している。先物取引を簡単に説明すると、ある決められた期日にあらかじめ決めた価格で商品・銘柄を売買する契約を行うもの。現物の有価証券等を運用するよりも手続きが多くコストも高くなる傾向にある。