年金が受けられるようになる年齢(支給開始年齢)は生年月日や年金の加入記録によって異なりますが、その段階的な引き上げが行われており、年金は60歳では受給できなくなってきています。ただし、本来の支給開始年齢より早く年金を受け取る繰上げ受給制度があります。
繰上げ受給をすると、早く受け取れる代わりに年金額が減額されてしまいますが、その減額率が2022年4月に改正されます。
そもそも繰上げ受給制度とは?
支給開始が61歳~65歳である年金について、60歳以降であれば、その本来の開始年齢前から繰上げ受給をすることができます。この前倒しで年金を受け取る繰上げ受給は1カ月単位(最大で60歳0カ月から64歳11カ月まで)で設定可能ですが、現行制度上、1カ月繰り上げると年金は0.5%減額されることになっています。
本来、65歳支給開始の年金を60歳0カ月で繰上げ受給する場合であれば、5年(60カ月)繰り上げることになりますので、30%(0.5%×60カ月)減額されることになります。この場合、60歳から“70%の額”で受給を始めることになり、しかもこの受給額が生涯続きます。