物価だけでなく、賃金や年金受給額も上昇

アメリカの場合、値段が上がるのはラーメンだけではありません。賃金も上がることが期待されます。通常の環境下では、ファイナンシャルプラニングをするときも、物価インフレとともに賃金上昇も見込んでシミュレーションをします。デフォルトでは2.25%程度です。この高インフレで、2022年の賃金はどのくらい上昇するのか注目されているところですが、今の予想では3%代前半ほどのようです。

最低賃金も値上がりします。下記はカリフォルニア州の最低賃金(時給)の推移ですが、2022年には25人未満の従業員の雇用主が払う最低時給は$14(約1,613円)、25人以上だと$15(約1,728円)です。年々、きりのいい$1ごとの上昇なので、2022年の上昇率としては過去と比較して低くなるような気がしますが、それでも7%近くの上昇です。

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コロナ下では、レストランや小売業などのサービス業種において大きな人手不足が起きています。雇いたくても働いてくれる人がいない状態です。なんとか営業を続けたくても、ウェイター、ウェイトレスが見つからず、しかたなくお店を閉じるところさえ出ています。必然的に、お店が払う時給は上がり、さらには$250から$500(およそ2万8800円から5万7600円程度)のサインアップボーナス(仕事を始めるともらえる初期ボーナス)を出すとこまで出てきており、賃金インフレもちゃんと存在しています。

さらには、年金生活者の受け取る年金額も上がっています。アメリカのソーシャルセキュリティ年金は、毎年インフレ調整が施されます。その年のインフレ率を見ながら、いくら年金額を上げるかの発表がされますが、その推移が以下の通りです。2021年には、前年比5.9%受け取る年金額が上がりました。

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