近藤さん、事務所に現れる

約束の時間15分前に事務所に現れた近藤さんはカジュアルで清潔感のある身なり。「真面目そうな方」というのが第一印象でした。話の端々で「暗い性格」をアピールしますが、決して悪い感じを与えず、他人に気遣いをするタイプと見受けられます。

最初に伺ったのは病院の仕事が激務であり、精神的にも肉体的にも限界を感じているということでした。人間関係も上手くいかず、上司や部下の板挟みになって悶々とするうちに、とうとう精神的に病んでしまったのです。

「退職しよう」という決意のもと上司に相談したところ、「辞めるのは簡単だよ。でも、辞めて収入がなくなったら、生活はどうするんだ」と慰留されました。今まで何人かの人に退職の相談をしてきましたが、決まって言われるのは生活のこと。それを言われると二の句が継げず、思い直すというのが今までのパターンでした。でも、精神を病んで「本当に経済的に無理なのか」を考えるようになり、自分なりに勉強して目についたのが「FIRE」です。