相続税を抑える2つの方法

相続税を抑えるためには、大きく「遺産の評価額を下げる方法」と「控除額を増やす方法」の2つがあります。前者は実態よりも安い値段で遺産を計算できる方法、後者は基礎控除のように遺産総額から差し引ける金額を増やす方法です。

遺産の評価額を下げる方法の代表格が「不動産の活用」でしょう。例えば遺産を不動産(土地)として受け取る場合、実際の売却見込み金額(公示地価)よりも一般に3割ほど安い「路線価」で遺産を計算できる場合があります。特に一定の条件を満たすと最大8割も評価額を減らせる「小規模宅地等の特例」が利用できるケースもあるでしょう。

出所:国税庁 タックスアンサー No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

一方、控除額を増やす方法の代表格が「配偶者の税額軽減」です。配偶者が遺産を受け取る場合、1億6000万円(または法定相続における相続割合)までは一般に相続税がかかりません。相続税を抑えたい場合、配偶者に多くの遺産を相続させるといいでしょう。ただし配偶者に資産が集中するため、二次相続(その配偶者が亡くなったときの相続)には注意が必要です。

出所:国税庁 タックスアンサー No.4158 配偶者の税額の軽減

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。
AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。