「積み立てるとき」はiDeCoが圧勝！

まずは「積み立てるとき」。iDeCoも個人年金保険も所得控除という税制メリットがあります。どれくらいの節税効果があるのか、それぞれ毎月1万円を積み立て、税率は所得税10％、住民税10％という前提で比較してみましょう。

iDeCoで積み立てをすると、その全額が所得控除の対象になります。毎月1万円だと1年で12万円、これが所得から差し引かれる、ということです。つまり、課税される所得が12万円減ることになるので、逆に言えば、12万円に税率を掛けた分だけ税金を節約できるのです。具体的には、所得税で12万円×10％＝1.2万円、住民税も同じ額になりますので、合わせて2.4万円の節税になります。将来の老後資金準備もできるし、今の手取りも増えるなんて、iDeCoの所得控除メリットは、一粒で二度おいしい、そんな感すらありますね。

一方、個人年金保険ではいくら積み立てをしても、所得控除できる金額に上限があります。2012年1月1日以降の契約（「新制度」と言われます）だと、所得税で4万円、住民税で2.8万円が上限です。つまり、1年で12万円積み立てても、節税額は所得税で4万円×10％＝4000円、住民税で2.8万円×10％＝2800円、合わせても6800円にしかならないのです。今の手取りが増えるのは嬉しいのですが、iDeCoに比べると、その嬉しさも控えめ、というのは否めないですね。

以上、簡単な試算ではありますが、「積み立てるとき」はiDeCoのほうが圧倒的にお得であることがわかると思います。