開業当初はうまくいったように見えたが…

定岡さんは、コンサル業者からいわれるままにラーメン店の物件を決めて、提案された通りに備品や内装を整えて、広告宣伝費もかけてお店を開業。「任せていたら大丈夫」と思っていたので、自分では一切リサーチしませんでした。

開業当初はオープンセールの効果もあり、多くのお客さんが訪れて「これならうまくいくかも!」と思いました。

すでに退職金は開業に全部つぎ込んでなくなっていましたが「これからどんどん売り上げが上がって稼げる」と思い込んでいたので不安はありませんでした。

客足が途絶えて失敗、借金が残る

しかしその後、客足が途絶えて売り上げが上がらなくなりました。

コンサル業者に相談しても「基本的に開業コンサルであり、継続的な相談にはさらに費用がかかる」「広告宣伝もしてみればどうか?」などといわれるだけで、親身になってくれません。

定岡さんは、軌道に乗るまでずっとサポートしてくれると思っていたので「話が違う」と思いましたが、騙されたとまではいえないし、泣き寝入りするしかありませんでした。

さらに夢を諦めたくなかった定岡さんは、公庫や金融機関へ融資を申し込み、300万円を借り入れました。しかし客足が回復しないので、すぐに資金が底をついてしまいます。

ついには生活費まで不足して、これ以上はやっていけないと断念し、お店を閉じました。

結局ラーメン店は1年あまりで閉店することとなり、退職金1500万円はすべてなくなって300万円の借金だけが残り、年金収入しかない中大きな不安を抱える生活になってしまいました。