顧客との信頼関係に基づく保険代理店ならではのマーケティング

エフピーサポートは、約1万5000世帯の既契約を保有。このベースとなるマーケットをもとにアプローチできるところが、セミナーやWebマーケティングで常に新規顧客を開拓しているIFAとの大きな違いである。

特に、生命保険でのアフターフォローの機会を利用して声がけするなど、地道なアプローチを行っている。「お客さまとは長年の信頼関係があることから、まずはしっかりと話を聞いてくれます」。これも生命保険で、顧客志向のセールスとアフターフォローをしてきた結果と言っていいだろう。

資産形成の話をすると、「証券会社や銀行から、売れ筋商品だというテーマ型ファンドを提案された」と話す顧客が多かった。「それに対して私たちは、セールスの最初に商品の話は一切しません。その代わり、どのような夢や目標のために、どのように資産形成をするべきなのか、というヒアリングを丁寧に行っています。このスタイルが、銀行や証券会社の営業に慣れているお客さまにとっては、非常に新鮮に感じていただけるようです」(可児氏)。

もうひとつ、銀行や証券会社には絶対にまねのできないポイントがある。それは、保険代理店では一人の担当者が保険と資産運用に関して多角的にアドバイスするうえ、担当者が変わることなく顧客をフォローできる点だ。顧客がこのスタイルに慣れてくると、「このやり方は、銀行や証券会社では無理だろうね」と言ってもらえることすらあるという。

この顧客との信頼関係があればこそ、コロナ禍においても面白い現象が起こっていたそうで、「実はコロナショックの際には、お客さまから多くのお問い合わせをいただきました」と可児氏は話す。しかもその内容は、市場の暴落に対する不安の声ではなく、「追加の資金があるが、どうしたらいいと思うか」といった、どちらかと言えば前向きな問い合わせがほとんどだったという。

これには理由がある。エフピーサポートのセールスは、すべての顧客に必ず「投資している中で、いつかは必ず下がることがあります。しかし、その時にやめるのではなく、頑張ってとにかく継続してください」と話しているからだ。「セールスの際に、悪いこともしっかりお伝えしているからこそ、お客さまは納得して投資を継続してくれるのです」と可児氏も強調する。