保険代理店の強みを生かし、IFA事業においても独自の販売手法を確立してきたエフピーサポート。証券会社や銀行にはまねできない、保険代理店ならではの販売スタイルを今も模索し続けている。前回の富永辰人副社長に続き、今回は同社のIFA部門の責任者である執行役員の可児康充氏のインタビューをお届けする。

IFA事業はエフピーサポートの新たなチャレンジだった

エフピーサポートのIFA事業は、2017年秋から準備を始め、2019年4月にスタートした。

スタートに当たっては、10年先、20年先を見据えて、どんなビジョンでIFA事業を行い、どうすれば収益化できるのかを主要メンバーで徹底的に議論。「正直、最初は否定的な意見もありましたが、IFA事業なくして未来の保険代理店は生まれないという信念を全員で共有しました」とIFA部門の事業部責任者である同社執行役員の可児康充氏は振り返る。

可児 康充 氏

とはいえ、IFAがどんなセールスを行うのか全く知識もなかったため、地場証券会社の出身で、かつてLPL日本証券(現PWM日本証券)にIFA登録していた可児氏と、同じく執行役員の和山健司氏で5社ほどの著名なIFA法人を訪問、事業モデルを研究した。ところが、ライフプランニングに基づき生命保険を提案していた保険代理店として、「訪問先の事業モデルが、自社にマッチする感じがしなかった」という。

そんな時に出会った、GAIAの事業モデルと商品は、「直感的に保険代理店に向いている」と思ったそうだ。そこでIFA事業のスタート時から提携し、「全く何もわからなかったところからきめ細かな指導を受けることができました」と可児氏は話す。GAIAはもともと証券会社出身の中桐啓貴氏が立ち上げたIFA法人だが、ソニー生命の研修を受講した経験もあることから、保険代理店の気持ちを理解してくれた。

「IFAの志というか、目指すべき方向性というものを示してくれ、まさにメンターとして根気強くスタートを後押ししてくれました。中でもGAIA独自の『GMA』というファンドラップが、保険代理店にとって非常に提案しやすい商品だと感じました。顧客の目指すゴールに向けて、適切なリターンのタイプをお勧めできるのがわかりやすい。さらに言うなら、3%のリターンで十分な顧客に対して5%、7%のリターンを勧めてはいけないと思っています。リターンにはリスクが伴いますから、5%、7%のリターンを得るためにより高いリスクを負わせることになってしまいます」。

資産形成において重要なポイントは、顧客のゴールと適合性に合わせて適切なタイプを提案することだが、GMAならそれがお客さまにとってわかりやすく設計できる点が大きな魅力。加えて、「今までのファンドラップは管理費用が高くて顧客に不利な印象もありましたが、この費用が相対的に低いこともメリットです」という。この特徴を武器に、GMAをコアにしつつ、「キャピタル世界株式ファンド」などをサテライトとして積み立てで提案する。このエフピーサポート独自のスタイルも、GAIAを参考に徐々に構築してきたようだ。