公的年金制度の誕生は1961年 その成り立ちを振り返る
そんな公的年金制度の成り立ちを振り返ってみましょう。
日本の公的年金制度は1961年に農業、漁業、自営業者を対象とした国民年金制度の施行により、国民皆年金と称される体制ができ、国民全員が何らかの公的年金制度の対象となりました。
さらに1985年の大改正により国民年金の基礎年金制度が導入され、全国民共通の制度として位置づけられました。この基礎年金制度の導入により、これまで自営業、会社員など立場によって違った年金制度が基礎年金として統合され、すべての人が国民年金への加入を義務付けられるようになりました。
国民年金は65歳が支給開始年齢となっているものの、会社などに勤めている人が加入する厚生年金保険については、制度発足当初は支給開始年齢が55歳となっていました。その後、累次の改正により65歳に向けて、徐々に引き上げられ現在に至ります。支給開始年齢の引き上げは、平均寿命の延びや少子高齢社会により、60歳引退社会に代わる65歳現役社会の実現を目的とした高齢者雇用の一層の促進を図ることが目的の1つとされています。
しかし、法改正により、いきなり年金支給開始時期を遅らせるというわけにはいきません。新しい法律へ移行することによる不公平感の是正のために、長い年月をかけて経過措置や加算など、不都合や不利益が出来るだけ生じないように対応するための措置が設けられているのです。