明暗分かれる毎月分配型投信

その他、アクティブ型の外国株式投信では毎月分配型、特に予想分配提示型(下線)が人気を集めた。予想分配提示型の株式投信は、株価(基準価額)の上昇分をルールに基づいて(毎月)分配する投信である。分配金のニーズが依然として高い上に、ここ1年ほど株価が右肩上がりで上昇し、結果的に高い分配金が毎月支払い続けられているため、投資家の人気を集めたと思われる。

そもそも毎月分配型の株式投信といえば、以前は株式からの配当を原資に、またはそれ以上に分配する高(好)配当株投信がほとんどであった。予想分配提示型が人気を集める一方で、いわゆる従来の毎月分配型の株式投信の中には、2021年上半期に資金流出しているものが多かった。

外国株式投信以外の毎月分配型投信でみても、外国債券投信を中心に資金流出が止まらない状況が続いている。2021年上半期に外国債券投信からは2,000億円の資金流出があったが、そのうち毎月分配型投信に限ると外国債券投信全体を上回る7,000億円の資金流出があったことからもそのことが分かる。

やはり、債券のクーポンや株式、REITの配当を原資とした従来の毎月分配型では、投資家が望むような高い分配金が出せなくなっているため、売却する投資家が多い状況が続いているといえよう。

 

インデックス型は積立投資浸透の影響も

次に売れたインデックス型の外国株式投信をみると、2021年上半期に1,000億円以上の資金流入があった3本はどれも信託報酬が0.1%前後であった。米国株式もしくはグローバル株式に超低コストで投資できる投信が人気だったことがうかがえる。

このように投信の売り上げ上位にインデックス型の投信がくることは、以前では考えられなかったことである。まさに、つみたてNISAなどを通じて低コストで積立投資する投資家が増えていることの表れだと考えている。

実際に金融庁から公表されたつみたてNISAの直近のデータをみても、口座数が3月末時点で360万口座にまで増加している。さらに買付金額の増加は口座数以上に顕著で、2021年1月から3月の3カ月の買付金額が1,400億円になり、着実に活用が進んできている【図表3】。まだ公表されていないが2021年4月から6月は口座数、買付金額ともにさらに増加していると思われる。

 

図表3:つみたてNISAの口座数と3カ月の買付額の推移

 

(出所) 金融庁公表資料より作成