外国株式投信を中心に売れに売れた2021年上半期

2021年上半期(1月から6月)は米国の金融緩和の出口戦略や米長期金利の動向が注目されたが、投資環境自体は外国株式を中心に2020年から引き続き良好な状況が続いた。国内株式は4月以降、やや上値の重い展開が続いたが、米国株式の主要指数は史上最高値を更新し続けるなど、外国株式は概ね堅調に推移した。さらに、国内外のREITも2020年は株式と比べて出遅れていたが、2021年上半期には株式以上に大きく上昇した。

そのような投資環境の中、2021年上半期の国内での追加型株式投信(ETFを除く。以後、投信)の販売は、2020年以上に好調であった。2020年も投信市場全体に2兆2,000億円の資金流入があり投信販売が好調だったが、2021年は上半期だけで2020年1年間の倍近くの4兆2,000億円の資金流入があった。

資産クラス別に2021年上半期の投信の資金動向をみると、外国株式投信に4兆2,000億円もの資金流入があり、半年で2020年の年間資金流入3兆6,000億円を上回った。【図表1】一方、2021年上半期に国内REIT投信への資金流入が止まり、外国REIT投信は資金流出に転じた。内外REITは2021年上半期に前年の急落前以上の水準まで上昇し、戻り待ちをしていた投資家からの売却が膨らんだものと推測される。

また、国内株式投信や外国債券投信は2020年に資金流出が大きかったが、2021年上半期も資金流出したが、金額は少なくなった。以上のことから、2021年上半期は投信販売が非常に好調ではあったが、実際に売れた投信はほぼ外国株式投信だけであったといって差し支えないだろう。

 

図表1:追加型株式投信(除くETF)の資金流出入

(出所)Morningstar Directより筆者作成。イボットソン分類を用いて集計

 

 

外国株式投信の中では、いわゆるアクティブ型への資金流入が2021年上半期で3兆1,000億円と半年で2020年の年間資金流入2兆6,000億円を既に5,000億円も上回っている。アクティブ型ほどではないが、インデックス型にもこの上半期に1兆1,000億円の資金流入があり、半年で2020年の年間資金流入1兆円を上回った。