かつては「太陽系の果ての惑星」と称されていた冥王星

8月24日は、太陽系9番目の惑星とされていた冥王星が「準惑星」に区分された日です。2006年の出来事ですので、ニュース等で目にした方も多いのではないでしょうか?

今回のマネー・トリビアは8月24日にちなんで、冥王星が準惑星に区分されるまでの経緯や、宇宙探索に絡んだマネーの話をお伝えしていきます。

太陽系の惑星を中心の太陽からの距離で「水金地火木土天海冥」と数えるように、冥王星は史上最初に観測された1930年から数十年間、「太陽系の果ての惑星」と称されていました。

冥王星は、地球から約48億キロメートルの位置にある天体です。48億キロメートルという距離は、光の速さで4時間半、新幹線で走ると約1800年もかかります。

2015年7月14日には、NASAの惑星探査機「ニュー・ホライズンズ」が、打ち上げから約9年半かけて冥王星へとたどり着いています。

冥王星の大きさは直径2370キロメートルで、地球の衛星である月の直径3474キロメートルよりも小さく、太陽系の惑星のなかでもかなり小さい天体であることがわかります。

なお「冥王星」という名称は、ローマ神話に登場する冥府(冥土)の王であるプルートー(ギリシア神話のハデスに対応)にちなんで命名されました。

地球から冥王星を見るには望遠鏡が必須で、太陽の光が当たって地球との距離が一番近いタイミングで探したとしても、小さすぎて他の星と区別をつけることは困難です。最新の望遠鏡を用いても冥王星はぼんやりとした点にしか見えないため、現在でも地球から冥王星の表面の詳細な写真を撮影することは不可能に近いとされています。

地球から遠すぎる、そして惑星としては小さすぎる冥王星が、「惑星論争」によってその地位が危ぶまれることになるのは、1990年代に入ってからのことです。