「信託期間」は無期限のほうがよい?

信託期間についても、純資産残高と同様、繰上償還のリスクを避けるために「『無期限』のものを選んだほうがよい」と言われる。しかし、目論見書上で信託期間(償還期限)が「無期限」となっていても、制度上は、運用会社の判断によって繰上償還を行うことが可能だ。

一方、信託期間が5年程度のファンドでも、残高の積み上げに時間がかかったり、償還日が近づくにつれて人気が出てきたりすると、現時点の残高が小粒でも延長されることがある。前述した通り、残高が継続的に増えているファンドは、信託期間が延長される可能性が高い。

ちなみに、信託期間の延長は投資家への書面決議を必要としない「非重大な約款変更」のため、運用会社の判断で行われる。延長されるかどうかが決定されるタイミングは運用会社や投資信託によって多少異なるが、傾向としては、目論見書に記載されている償還日の約1年から1年半前に行われることが多い。

以上を踏まえると、信託期間については必ずしも「無期限」にこだわる必要はなく、過度に神経質にならないほうがよいだろう。