資産形成すると言っても、手元にはある程度の預金を

「このまま銀行に置いておくのはもったいないし、預けっぱなしでいいのか」という質問はよくいただきます。確かに今のような低金利では、資産形成上、銀行に預金を置いておくのは効率的ではありません。

しかし、だからといって多くのお金を投資で運用するには、抵抗があるでしょう。また、預金のほとんど、あるいはすべてを投資というのはおすすめもできません。その理由は、①万が一急にお金が必要になった時、対応できないかもしれないから、②投資の運用にはリスクがつきものだからです。

まず①についてですが、万が一急にお金が必要になった場合に備えておきたい金額は、一般的に生活費の6ヶ月分〜1年分です。片桐さんの場合、1ヶ月の生活費は約46万円です。1年分だと約550万円になりますから、預貯金880万円のうち、550万円は現金として手元に置いておいた方が良いということになります。

次に②のリスクですが、たとえ積立投資であっても投資である以上リスクがあります。そのリスクをできるだけ小さくするには、長期で投資を行うことが大前提です。したがって、10年以内に使いたいお金があるのであれば、それは積立投資に回してはいけません。

そこで、片桐さんに何のために運用額を増やしたいのか改めて立ち返りましょう。それは将来のため、老後資産のためということでした。

ちなみに「将来のためのお金」というと、片桐さんのように小さいお子様がいるご家庭ですと、「教育費をいくら貯めればいいか?」という質問も大変よくいただくのですが、片桐さんは教育業界のお仕事をされていることもあり、教育費についてはよくご存じのご様子ですね。財形、学資保険、児童手当でしっかり準備をされていて素晴らしいです。なので、以降は基本的に老後資金を想定して回答していきます。