AT1債の無価値化に投資家が激怒
スイスの金融機関・クレディ・スイスが発行していた「AT1債」が無価値となった。これを報じたロイターの3月20日付『クレディ・スイス、社債約170億ドル無価値化 債権者から怒りの声』とする記事によれば、スイス金融市場監査局(FINMA)は同社が発行していた160億スイスフラン相当の「AT1債」を「無価値化する」と発表し、「債権者」から怒りの声が上がっている、などとある。また、「AT1債が無価値となる一方で、返済の優先順位が社債より下位となる株式の保有者は、UBSによる株式交換方式の買収で総額32億3000万ドルを受け取ることになる」、といった記述を読むと、「社債」よりも弁済順序が劣後しているはずの株式と、損失負担順序が逆転していることの「不当性」が印象付けられるかもしれない。