銘柄は「どこで、何を武器に、どう戦うか」で選定
――なるほど。ファンドの強みは4人のチームによる集合知のポートフォリオだということですね。
古賀さんのアプローチ方法について、具体的な銘柄を交えて教えていただけますか?
リサーチは「企業取材のキーワード」を元に行っています。
6月末時点で当ファンドの組入比率2位の産業廃棄物処理を手掛けるミダックを例にご説明しましょう。
同社に関しては、廃プラスチック問題やSDGsの流れで同社の立ち位置が大変面白いと思って注目しました。
まず、事業環境としては、中国が海外ゴミの輸入を禁止したことで、日本国内でゴミ処理の需要が増大するなど、市場として拡大余地があり、同社のビジネス拡大のチャンスがあるという認識を持っています。
ビジネスモデルの側面で見ると、同社は静岡県・浜松の会社で浜松を中心にさまざまな施設を保有しています。立地的に、東京から関西まで製造業のゴミが集めやすいという強みや、収集運搬から焼却等中間処理、最終処分まで一貫して処理できるのも魅力です。最終処分場は許認可が降りにくく、最終処分場を保有することで単価の高い受注が可能となり、利益率の高いビジネスモデルとなっています。
今後の成長戦略としては、2022年4月以降に稼働開始予定の最終処分場が建設中です。これは30年かけてゴミを埋めていく管理型といわれる種類のもので安定的な収益が見込めることから、同社の中長期的な企業価値向上の可能性は高いとみています。