富士山も和食も文化遺産

さて、多くの人にとってはユネスコと言えば、世界遺産を連想するのではないでしょうか。

世界遺産と一言でいっても、さらに文化遺産、自然遺産、文化と自然の両方の要素を兼ね備えた複合遺産に分類され、登録されます。

ちなみに富士山は文化遺産。富士山が自然遺産ではないことは、意外かもしれませんが、ゴミや屎尿(しにょう)などを原因とする環境の悪化や開発が進んでいることなどが理由で、国内の検討会の時点で“落選”してしまっているのです。

また、遺跡・建造物だけでなく、伝統的な音楽、舞踊、演劇、工芸技術といったといった文字通り“形のないもの”は無形文化遺産として登録されます。

無形文化遺産も日本からさまざまな文化が登録されています。2013年12月に、日本人の伝統的な食文化である「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録された際は、大きな話題となり、覚えている方も多いかもしれません。

その他にも、和紙、人形浄瑠璃文楽、歌舞伎、雅楽、アイヌ古式舞踊、結城紬。一番最近ですと、2020年「伝統建築工匠の技」木造建造物を受け継ぐための伝統技術が登録されています。