50年近く、出生数が下がり続けている
出生、死亡、死産、婚姻、離婚の5つの項目の中でも、将来を予測する上で最も注目しておきたいのが、出生です。
図表1「出生数及び合計特殊出生率の年次推移」をご覧ください。図表内の棒グラフは、毎年の出生数を示しています。これを見ると、第2次ベビーブーム真っ最中の昭和48年(1973年)には年間209万人超あった出生数ですが、令和2年(2020年)には、年間84万人まで減少しています。50年近く出生数が下がり続けています。
いまの出生数の低下は、約20年後の新社会人の減少を意味します。このことは、その先50年間ほどに渡って、世の中を支える労働力が減少することにつながります。
出産は一人一人のライフスタイルに関わることで、他人や政府がとやかく言うことではありませんが、産みたい人が本当に産み育てやすい世の中を作ることは、本人のためだけではなく、世の中全体のためにもつながります。
図表1.出生数及び合計特殊出生率の年次推移
出所:厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)」
婚姻数自体も減少している
出生数に続いて、婚姻数についても見ていきましょう。図表2「婚姻件数及び婚姻率の年次推移」をご覧ください。これを見ると、婚姻件数が最多だったのは、1972年の109万件でした。“ミレニアム婚”と言われたように、2000年を挟んだ数年間でやや婚姻数が増しているものの全体的としては1972年をピークに右肩下がりの状況で、2020年の婚姻数は52万件とピーク時の半数以下に減少しています。
図表2.婚姻件数及び婚姻率の年次推移
出所:厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)」