全額所得控除は「不公平」なメリット、運用益非課税は「公平」なメリット
講師
所得税率が高い所得が多い人ほど所得控除のメリットが大きくなる、ということです。
iDeCoで同じ金額を積み立てていても、所得の多い・少ないで負担が軽減される税金の金額に差が出るので、ある意味、不公平だと申し上げたわけです。
参加者
なるほど。考え方としては分かりましたけど……。
講師
考え方を整理するために、掛金全額所得控除と運用益非課税を比較してみました。
参加者
え~と、誰でも得する掛金全額所得控除で所得が多いほどメリットが大きくなるというのは、先ほど、不公平なメリットだとおっしゃっていたことですね。
税金の負担が減る分、「手取りが増える」ことになるので、たしかにiDeCo資産が増えるわけではないのも分かります。
講師
一方、運用益非課税は儲かった人だけが得するメリットです。でも、高いリターンを目指してリスクを取るチャンスは誰にでもありますよね。
ですから、「運用益非課税」は、ある意味、とても公平なメリットだと思うのです。さらに、リスクを取ったことに対する報酬として高いリターンが得られれば、それが直接、iDeCo資産が増えることにつながります。
参加者
不公平だけど誰でも得するのが掛金全額所得控除で、公平だけど儲かった人だけが得するのが運用益非課税ってことですか……。
どっちかを選べと言われれば、私は誰もが得する掛金全額所得控除に軍配を上げると思います。