米国債の利回りは主に2つの要因で上昇する

今後、米国債10年の利回りが上昇する要因は、主に次の2つだと言われる。

・景気の回復で資金需要が拡大
・国債の発行量が増える可能性がある

景気が良くなると収入は増加し、消費は活発化する。これに対し、企業はより多くのモノやサービスが供給できるように、積極的に設備投資をするようになる。設備投資といった資金調達の需要が高まると、多少借入コストが高くなっても、銀行から融資を受けたいと考える企業は増える。すると、長期金利、つまりは米国債10年の利回りも上昇していくわけだ。

また、新型コロナウイルスのワクチン接種や追加の経済対策で、政府が資金を調達する場面も出てくる。資金調達の手段として国債の発行量が増え、需要を大きく上回れば、国債の価格は下落する。すると、相対的に利回りは上昇するわけだ。

米国債10年利回りが株価に与える影響とは?

現在は、2021年1月20日に発足したバイデン新政権のもと、さらに国債の発行が増えるとの見方がある。そのため、需要と供給の悪化を見越した売りが増え、米国債10年の利回り上昇につながっていると言われる。

今後、さらに利回りの上昇が続けば、元本が保証される米国債に投資して利息を得た方が安全と考える投資家も増えるかもしれない。株式から債券へのシフトは、米国債10年の利回りが1.75%を超えてからさらに進むという意見もあるようだ。そうなると、米国の株式市場は下落する可能性もあるだろう。

では、株価が変動していく局面で、個人投資家はどうしたら良いのか――? 

王道の方法だが、相場下落時に量をたくさん購入できる積立投資を継続する。いわゆるドルコスト平均法であるが、やはり、基本に立ち返るのが、望ましいと言えそうだ。