宇宙開発からクリーンエネルギー、手がけた事業は数知れず

PayPalまでのイーロン・マスクは、短期間で成功したIT長者の一人という見方だった。世界が彼のカリスマ性に注目し始めたのは、2002年にスペースX社を設立してからだろう。彼が抱く壮大な夢に、多くの人々が注目し始めたのだ。

人類を火星へ移住させることを目標とする「スペースX」

スペースX社の最終目的は、人類を火星へ移住させることだ。そのためにも、2024年から2026年の間に、人類初となる火星の有人着陸を成功させることが当面の目標だ。

さらに人工衛星を介して地球上のあらゆる場所から、高速インターネットへのアクセスを可能とする「スターリンク」という技術にも注目が集まる。実現すれば、現在は環境が整備されていない国でも、インターネットの利用が可能だと言う。

一度の充電で走行距離1000kmを可能とする「テスラ」の電気自動車

2003年には電気自動車メーカー「テスラ」も設立した。テスラ社の看板モデルは「ロードスター」。2022年より生産開始予定の新型ロードスターは、最高速度400km、一度の充電で走行距離1000kmが可能となる予定だ。実現すれば、ガソリン車にこだわる理由もなくなる。

またテスラでは現在、「自動運転システム」の開発にも取り組んでいる。完全自動運転の技術が確立した後には、ロボタクシー事業をスタートさせることも視野に入れている。早ければ2020年代前半に、実現する予定だという。 

さらにイーロン・マスクは、従兄弟が創業したソーラーシティ社を買収し、「ソーラールーフ」を開発している。ソーラーパネルと建材を一体化させた商品で、従来の屋根瓦の3倍の強度を持ちながら、太陽光発電を行うことができるのだ。