ふるさと納税の控除の種類は「所得控除」と「税額控除」の2つ

講師
では、ふるさと納税の控除の仕組みからご説明しましょう。
ふるさと納税の控除の種類は、原則「所得控除」と「税額控除」の2種類です。前回の記事でご説明した図で言うと、(2)と(4)の行にありますね。

参加者
そうでした! 控除とひと口に言ってもいろいろな控除があって、差し引く対象が「所得」や「課税所得」、「税額」などと違うんでしたよね。

講師
ええ。このうち、「所得控除」の“枠”で差し引く対象は所得税だけですが、「税額控除」の“枠”で差し引く対象は住民税の基本分と住民税の特例分と、合わせて3つに分かれます。

この3つのうち、ふるさと納税が属する制度のカテゴリー「寄付金控除」の仕組みにおさまるのは、図の中の上から2つ、所得税分と住民税の基本分までです。
寄附金控除の仕組みでは、同じ金額を寄付しても、高収入の人ほど控除される税額が多くなります。なぜだかお分かりになりますか?

参加者
所得税分の控除は「所得控除」枠に含まれるので、所得税率が高い人ほど軽減される税額が多くなるってことですよね?

講師
おっしゃるとおりです。ただ、ふるさと納税の場合は、図の一番下、「住民税の特例分」もあります。これは「寄附金控除の仕組みでは控除できない部分も、特例として全額控除できる」という枠。つまり、収入の多寡にかかわらず、ふるさと納税額から2000円を差し引いた金額分、税金の負担が減ることになるのです。