適正な貯蓄割合の考え方とは?

家計のバランスからみると特別どこかの支出が高いということもなく、バランスが取れている印象です。現在、積立貯金2万円と個人年金保険1万円、合計3万円の貯蓄ができており、20.8万円の手取り収入からみて約14%確保できていることになります。毎月特別な支出がなければ、余剰金として2.8万円はありますから、「老後が不安でたまらない」とおっしゃる大山さんはちょっと頑張って、あと5000円先取り貯金することで、65歳までの24年間で約1000万円の貯蓄が可能となります(3.5万円×12カ月×24年=1008万円)。

1000万円が老後の生活費として足りるか足りないかは別に考えるとして、「1000万円」と一つ数字を目標設定することで漠然とした不安からは解放されると思います。まさに今を楽しみながら将来に備えるという事ですね。

40歳を越えてくると老後という将来をリアルに考えている方が多いようです。ご自身の生活設計を考えたときに、まずは現状把握です。毎年お誕生月に届く「ねんきん定期便」や日本年金機構の「ねんきんネット」を利用して、将来のご自身の年金がどれくらいになるのか把握し、それに対してどう準備していくのか――あとは逆算です。働き方によっても今後作られるご自身の年金は変わってきますから、あくまでも概算になりますが、計画を立てるというということは、現状認識と逆算から始まります。

例えば、現状の概算で65歳からの生活費として年金ではあと5万円くらい足りないなと感じたなら、40歳女性の平均余命は48.11年、つまり約88歳ですから、65歳から23年間×5万円の不足をカバーしようとすると、約1400万円が必要となります。

あと400万円……さらにこの400万円とは、日々の暮らしに使うお金ですので、別途、万が一のときの医療費や葬儀費用なども考えるとすればさらに500万円*ほど見る必要もあるでしょう。つまり1900万円、さて900万円をどうしましょうと対策を立てていきます。

* 厚生労働省の平成29年度『生涯医療費』によれば、人が生まれてから亡くなるまでの医療費を10割で見積もると総額2700万円。70歳を分岐に半々といわれていますので、70歳以降の医療費は1350万円ということに。70歳からの医療の自己負担割合が2割とすると医療費で約270万、葬儀の平均的な費用は約184万ということで、ここではザックリ500万と見立てています。