長期保有の個人運用では原則リバランスの必要なし
インデックスファンドを組み合わせる場合、次に問題となるのが定期的なリバランスです。それぞれの時価が変動して半々だった比率が変化してしまうため、一方を売却、一方を追加購入するなどして比率を修正します。企業型DCの導入時教育でもその重要性を教わっているかもしれません。
リバランスはもちろん重要ではありますが、少なくともDCにおいては、そこまで厳密かつ定期的にリバランスを行う必要はないと個人的に考えています。むしろ「ほったらかし」にしていてもいいくらいで、見直すとしたら、お子様の誕生や転職などでライフプランが変わるタイミングでいいでしょう。
というのも、現実には、頻繁に値動きをチェックし、ベストなタイミングでリバランスを実施することは極めて難しいためです。例えばリーマンショック、あるいは最近もコロナショックがあったように、マーケットの急落は定期的に訪れるものだからです。そうした際に、評価額がマイナスとなって慌てて売却したりしてしまうのは、最悪の選択と言っても過言ではありません。これまでショックがあってもマーケットは回復してきたわけですが、運悪く下落時に売却してしまうと、その後の上昇による恩恵を受けられません。
また、そもそもDCの資産だけで運用のポートフォリオを考え、リバランスしてもそれほど意味はありません。やはり導入時教育で、資産をバランスよく持ってくださいと教わるケースも多いでしょうが、あくまで保有資産全体で考えることが重要なのです。
だからこそ、バランス型ファンドについてはDCにこだわらず、それ以外の口座で保有するのも一案です。先述の通り、企業型DCプランで用意されているバランス型は古いタイプであることが多いです。加えて、青田さんはマイホームの購入のために貯蓄していらっしゃるとのことですが、手取りの世帯年収に対して金融資産額がやや少ない印象もあります。ですから企業型DCの他にももう1つ2つ、資産形成の器を作ったほうがいいですね。
お勧めなのはつみたてNISAで、例えば国内外の株式と債券という4資産に均等に投資する、シンプルなバランス型ファンドで積み立ててみてはいかがでしょう。貯蓄している金額の一部を振り分け、奥様のつみたてNISAの枠と合わせてお二人で月額6万円ほどの積み立てを検討されてもいいと思います。