老後資金の形成は、学び直しの後から始めても遅くない

老後のための資産形成も大切ですが、現時点では学び直しのための費用を優先でよろしいのではないでしょうか。

鈴木さんは、遅くても5年以内に学び直しを考えていますので、修了するときは8年後の36歳。その後60歳までに24年間あります。老後の資産形成は学び直しの後でも遅くはありません。運用益が非課税になるiDeCoやつみたてNISAを利用して運用しましょう。

iDeCoは老後資金形成のための制度です。毎月一定額を掛け、投資信託や定期預金、保険商品、投資信託で運用します。掛金は全額所得控除、運用益は非課税と税制優遇を受けながら資産形成が出来ます。

一方つみたてNISAは、年間40万円まで最長20年、非課税で運用出来ます。掛金の所得控除はありませんが、いつでも解約出来る魅力があります。つみたてNISAの口座開設は制度改正により、2042年まで延長されます。

どちらも、あらかじめ配分を指定しておき、口座振替等で毎月一定の日に一定の掛金を拠出するため、昼間勤務中の会社員でも簡単に、そして1度設定したら“ほったらかし”で、資産形成が出来ます。

3万円(iDeCo2万3000円、つみたてNISA7000円)を24年間貯めるとすると、元金は864万円ですが、例えば3%で運用すれば1263万になり、5%では1664万円になります(ただし、つみたてNISAの非課税期間以降の課税は考慮していません。iDeCoの口座管理手数料についても考慮していません)。

さらにiDeCoは掛金全額所得控除により、例えば所得税率5%の場合でも翌年の住民税の軽減も考慮され、23,000円×12ヶ月×24年×15%=99万3600円 の税金が軽減されます。

また、iDeCoは60歳以降も会社員として働いている場合、最長65歳まで掛金を拠出することが出来ます(2022年5月の制度改正より)。

ボーナス分は資金の調整用として預金で持っておきます。