個人年金保険をiDeCoに置き換えたら……? 節税などメリットは大
岩井さんは、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)にご興味があるとのことで、個人年金BをiDeCoに置き換えた場合のことを考えてみましょう。iDeCoは職業や勤め先の制度によって、掛け金の上限が異なりますが、岩井さんの場合、iDeCoの掛け金上限は月2万3000円です。
どれだけ増やせるかは、これからの運用次第ですが、たとえ運用利回りが0%だったとしても、岩井さんの場合、iDeCoの節税効果により所得税、住民税合わせて掛け金の15% (所得税率5%、住民税率10%とする)ほどの税金を減らすことができます*。つまり、減らすことのできたお金をリターンと捉えるならば、ある意味15%の利回りがあるとも言い換えることができます。
*……掛け金2万3000円×12カ月=27万6000円。岩井さんは額面年収が約450万円なので、年間の節税額(iDeCoに加入しない場合の所得税・住民税ーiDeCoに加入した場合の所得税・住民税)は、およそ4万2000円弱。その前提のもと、4万2000円(節税額)÷27万6000円(掛け金)で計算している。
個人年金Bは、32年間積み立てて返戻率が104%(年平均利回り0.6%)ですから、iDeCoの方が、メリットが大きいことが分かります。しかも、岩井さんは60歳まであと28年もあります。iDeCoでの運用は元本保証がなく、またマーケットの影響を受けることがあるとはいえ、時間は資産運用において非常に強い味方になってくれます。
そう考えると、iDeCoを始めない選択肢はないでしょう。岩井さんの場合、運用できる時間がたくさんあるので、海外株式の投資信託を中心に積極運用することを視野に入れてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、個人年金Bを解約すると、返戻金は払い込んだ保険料を下回ります。せっかく今まで保険料を払ったのに、もったいないですよね。このような場合には、保険料を今後支払わない代わりに、保険金額を下げて保険を継続させる払い済み保険にすると良いでしょう。保障はサイズダウンしますが、解約による元本割れを防ぐことができます。