見込額は60歳までの加入を前提に算出

まず、気になる年金額は、「3.老齢年金の種類と見込額(年額)」(図のj)の「受給開始年齢」が「65歳~」の欄の一番下(「(1)と(2)の合計」)で確認できます。この見込額は、現在の給与水準のまま60歳まで継続して加入することを前提に算出されています。ですから、役職定年などで給与ダウンとなった人は前年より見込額が減少することもあります。早期退職制度の活用を考えている方は、60歳より早めにリタイアした年月分、将来の年金額が減ることになるので、ご注意ください。

一度しっかり確認しておきたいのが、ご自身の年金の加入記録です。「2.これまでの年金加入期間」(図のi)の「国民年金(a)」や「厚生年金保険(b)」の欄に記載された加入月数が、ご自分の勤務歴と合致しているかどうかを計算してみてください(59歳を迎える誕生月に届く“節目の年バージョン”には、より詳しく、過去の勤務先の名称や資格を取得・喪失した年月日まで記載されます)。

転職経験がある方は、以前の勤務先での加入期間が正しく反映されていない可能性があります。漏れがある場合は証拠となる書類などを用意したうえで、最寄りの年金事務所で加入記録を調べてもらいましょう。加入が確認できれば年金記録は速やかに修正され、65歳から修正後の年金額を受給することができます。

自営業の方の中には、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で収入減となり、国民年金保険料の減免制度を利用された方もいらっしゃるかもしれません。そうした場合は、次回のねんきん定期便を受け取った際、「最近の月別状況です」の欄に必ず目を通してください。

「国民年金〈第1号・第3号〉納付状況」(図のf)の欄には、「全額免除」「3/4免除」「半額免除」「1/4免除」など減免の状況が月別に示されています。一時的に減免制度の適用を受けたとしても、その間は一定率の保険料を負担したものとして将来の年金額を計算してもらえます。減免を受けた月や減免率が正しく記載されているかどうか、記憶が新しいうちにしっかり確認しておきましょう。

さて、年金を受給するためには、加入期間が10年(120カ月)以上あることが必要です。自営業で未加入の期間が長かった人は、「2.これまでの年金加入期間」(図のi)の「受給資格期間(a+b+c+d)」の欄も確認しましょう。

60歳まで加入して120カ月に満たない場合は、60歳以降も国民年金に任意加入して、受給資格期間を満たすまで保険料を納める方法もあります。