発覚した無断課金

それから30分後、和樹のスマートフォンが激しく振動した。画面を見ると、クレジットカード会社からの決済完了メールが止まらない。

「〇〇ゲーム:9800円」「〇〇ゲーム:9800円」……。

次々と届く通知の合計額は、なんと8万円を超えていた。青ざめる和樹の元へ、奥の部屋から戻ってきたあおいが涙目で駆け込んできた。

「お父さん! 私のタブレットに知らないのがいっぱい入ってる……!」

あおいのタブレットは、保護者認証の設定が一時的に解除された状態になっており、莉央が画面に出てくる有料ガチャや高額アイテムのボタンを無制限に連打していたのだ。

さらに残酷だったのは、莉央のめちゃくちゃな誤操作によって、あおいが長年コツコツと育ててきた大切なゲームデータやポイントまで全て削除・消費されていたことだった。

あおいとかえでは「そんなのひどいよ……」と抱き合って泣きじゃくった。被害にあっているとはいえ、義理の家族に抗議しにくい和樹に対して、恵は怒りに震えながら、美香を問い詰めた。

「これはさすがに、どうかと思うんだけど……。ちゃんと言ってくれない?」

しかし、美香は反省するどころか、不機嫌そうに息を吐いた。

「たかがゲームのデータでしょ? あとでお金払えばいいじゃない。子どもを責めないでよ!」

開き直る美香の態度に、家中が重苦しい空気に包まれた。すると、それまで静観していた70代の祖母・節子が青ざめた顔で口を開いた。

「実はね……私も先月、スマホで見覚えのない請求が3万円分来ていて……。調べたら『投げ銭』ってやつだったのよ。莉央ちゃんが触っていたからだとは思ったんだけど、言い出せなくて……」

莉央の無断課金癖はこれが初めてではなく、家族の甘やかしの中で日常化していたのだ。和樹と恵ばかりでなく、この場にいる親戚全員の我慢は、ついに限界を超えてしまっていた。

●わがままな姪による8万円の無断課金と、祖母周辺にも発覚した過去のトラブル。反省しない美香に対し、和樹たちの怒りは頂点に達する…… 後編【「親戚だからって許されると思うな!」姪の無断課金に祖父が激怒…親戚総出で向き合った“子育ての真実”】で詳説します。

※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。