遺族厚生年金の4つの要件

遺族厚生年金を遺族が受給するためには、亡くなった方が次の要件のいずれかを満たしている必要があります。

死亡当時、①厚生年金の被保険者であること(在職中)、②厚生年金の被保険者だった人で、厚生年金加入中(在職中)に初診日のある傷病で初診日から5年以内の死亡であること、③障害等級1級・2級の障害厚生年金の受給権者であること、④保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間・65歳以降の厚生年金被保険者期間が合計25年以上あること、この4つです。

この中で①②についてはさらに保険料納付要件があり、原則要件と特例要件いずれかを満たす必要があります。原則要件は、死亡日の前日において、死亡月の前々月までの国民年金の被保険者期間で保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が3分の2以上あること、特例要件は、死亡日の前日において、死亡月の前々月までの直近1年の国民年金の被保険者期間で保険料の未納がないこと、となります。ただし、特例要件は、死亡した人が死亡した当時65歳未満である場合が対象で、2036年3月31日までの時限措置となります。

智明さんの場合、死亡当時に厚生年金の被保険者だったため、②には該当しません。

また、障害厚生年金の受給権もなかったため、③も満たしていません。

加えて、法人化してからは厚生年金の保険料を払い続けていましたが、個人事業主時代に国民年金保険料の未納が多かったことが影響し、死亡当時、保険料納付済期間などを合計して25年の期間がなく、④も満たしていませんでした。

残る①を満たすかどうかについて、死亡当時、厚生年金の被保険者ではありました。しかし、①に必要な納付要件について、智明さんは死亡当時65歳になっていたため、特例要件の対象とならず、原則要件で見ても要件を満たしていなかったのでした。①②③④全て不該当になり、不支給となります。