実は「AI」という共通項
一見すると、「宇宙」vs「電力」なので、まったく違うテーマに見えます。ところが、2026年の投資環境では両者をつなぐ大きなキーワードがあります。それが、「AI・データセンター」です。
AIの普及→データセンター増加→電力需要増加→発電能力の増強→送電網・変圧器・電線などへの投資増加という流れがあります。「電力革命」がAIの恩恵を受ける流れです。
一方でAIは、
衛星データ→地球観測→通信→測位→防衛・安全保障など、宇宙産業との結び付きも強めています。
したがって両ファンドには、「AI時代のインフラ投資」という共通項があります。宇宙ファンドは「AIを含む宇宙・防衛・通信の成長側」、電力革命は「AIが生み出す電力需要・設備投資側」と考えると分かりやすいでしょう。
過去のパフォーマンスではどちらが優位?
■過去のパフォーマンス
ここだけを見ると、直近1年のパフォーマンスは「電力革命(為替ヘッジなし)」が優勢です。ただし、これは非常に重要な注意点があります。「電力革命」はまだ設定から約2年しかたっていません。
したがって、「『電力革命』のほうが長期的に優秀」とは現時点では判断できません。むしろ、設定時期の違うファンドのリターンを単純比較するのは危険です。
一方、リスクを考えると見え方が変わります。「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」は、2026年7月末までの1年間で、リターン27.77%に対してリスク31.37でした。一方、「電力革命(為替ヘッジなし)」は、リターン40.06%に対してリスク23.03でした。リスクとは、ここでは価格変動の大きさを表す「標準偏差」です。
つまり直近1年では、「電力革命」のほうが高いリターンを、相対的に小さい価格変動で実現していると評価できます。1年シャープレシオは、「東京海上・宇宙関連株式ファンド」の0.91に対し、「電力革命」は1.56となっています。これは今回の対決で非常に注目すべき数字です。
■なぜ電力革命のほうが「値動きが安定しやすい」のか
私はここが両ファンドを比較するうえで最も面白いポイントだと考えます。
宇宙関連株の場合、
打ち上げ成功
新技術
政府契約
衛星サービス
大型IPO
宇宙開発政策
など、将来期待が株価に大きく反映されやすい傾向があります。そのため、期待が高まる局面では株価が大きく上昇する一方、期待が剝落すると下落も大きくなりやすい。
一方、電力関連企業の場合、
電力需要
送電網更新
発電設備
変圧器
電線
蓄電設備
など、実際の設備投資につながる需要が比較的見えやすい。つまり、
宇宙=期待先行型の成長
に対して、
電力=設備投資型の成長
という違いがあります。
もちろん電力関連株も景気や金利の影響を受けますが、テーマの「利益への落ち方」が違います。
