NISAの普及もあり、話題にのぼることが多くなった投資信託。でも、一体どうやって選べばよいのでしょうか? 投信ライターの徳永浩氏が、ちまたでなにかと比べられる2本の投資信託を比較・分析してそれぞれの特徴や強み、知っておくべきポイントを考察します。
「宇宙関連株式」と「電力革命」組入銘柄の違いは?
「宇宙」という未来産業に投資する「東京海上・宇宙関連株式ファンド」と、「電力需要の増加・電力網の変革」という、より足元の社会インフラ投資に投資する「ニュートン・パワー・イノベーション・ファンド(愛称:電力革命)」(以下、電力革命)。どちらも「未来の成長テーマ」を狙うアクティブファンドですが、収益源泉はかなり違います。
両ファンドの性格を一言で表すなら、
宇宙ファンド=「宇宙産業そのものの成長」に賭けるファンド
電力革命=「電力需要の増加と電力インフラ投資」に賭けるファンド
です。
そして、投資信託として見ると重要なのは、「どちらのテーマが面白いか」ではなく、「どちらのテーマの利益が企業業績に落ちてきやすいか」という点です。
■基本スペックの比較
「東京海上・宇宙関連株式ファンド」は2018年設定で、すでに運用実績が比較的長いファンドです。一方、「電力革命」は2024年10月設定で、運用実績は2年未満です。
信託報酬はどちらも年率1.8%前後と、インデックスファンドと比べればかなり高い水準です。つまり、これらは「低コストで市場平均を取るファンド」ではなく、特定テーマに集中して超過収益を狙うサテライト型ファンドと考えるのが適切でしょう。
■最大の違いは「何に投資しているのか」
ここが今回の対決の核心です。
「東京海上・宇宙関連株式ファンド」
投資対象は、単純に「ロケットの会社」だけではありません。
宇宙関連企業について、
ロケット・輸送機
衛星
衛星打ち上げ
地上設備
衛星通信
衛星データ
ソフトウエア
宇宙関連サービス
など、宇宙産業のバリューチェーン全体を対象にしています。つまり、「宇宙産業の成長」そのものに投資するファンドです。
「電力革命」
「電力需要の拡大」と「電力市場の変革」を投資テーマとしています。
特に、
発電・送電・蓄電
の3分野に着目しています。
この違いが非常に重要です。
■組入銘柄に「テーマの違い」がクッキリ
「東京海上・宇宙関連株式ファンド」では2026年7月末時点で、
1.ルメンタム・ホールディングス 5.8% 米国 情報技術
2.データドッグ 3.2% 米国 情報技術
3.ロケット・ラブ 2.6% 米国 資本財・サービス
4.クラウドフレア 2.5% 米国 情報技術
5.アーム・ホールディングス 2.2% 米国 情報技術
などが上位に入っています。「ルメンタム」は光通信・レーザー関連、「データドッグ」はクラウド監視などセキュリティーを提供する企業です。「ロケット・ラブ」は宇宙開発企業ですが、クラウドネットワークサービスの「クラウドフレア」、半導体の「アーム」など、「宇宙」だけではなく、AI・データ・光通信などの周辺技術にも投資していることが分かります。
「電力革命」は2026年7月末時点で、
1.エンジー 6.7% フランス 総合電力(発電)
2.エーオン 5.9% ドイツ 総合電力(送電)
3.ナトゥルジー・エネジー 4.4% スペイン 総合電力(送電)
4.TEコネクティビティ 4.3% スイス スマートグリッド(送電)
5.ハベル 4.1% 米国 スマートグリッド(送電)
となっています。こちらは電力会社、送配電機器、電線、電力設備など、「電気を作る・運ぶ・蓄える」企業が中心です。宇宙ファンドとは大きく異なります。
