共働きが当たり前となった現代、互いに忙しい日々の中で「一緒に温かいご飯を食べ、今日あったことを話し合う」という時間は、夫婦の絆をつなぐ貴重な時間です。しかし、そのささやかな幸福がパートナーの偏執的な「自己研鑽」によって踏みにじられたとしたら、どう対処すべきでしょうか。

理想の夫が変貌

都内の大手食品メーカーに勤める佐藤由香(31歳)は、WEBディレクターとして働く夫の健太(32歳)と結婚して2年。由香の年収は700万円、健太は550万円 あり、夫婦2人の暮らしには充分すぎる世帯年収だ。新婚2人の時間を楽しみながら、新居のマンションで穏やかな生活を送るはずであった。

しかし、結婚1年目が過ぎた頃、健太が本格的なボディメイクに没頭し始めたことで、夫婦の空気は一変する。

最初は健太も「健康のため」だと言っていた。しかし、半年もしないうちに食事内容に強くこだわりだし、『PFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物)』ばかり口にするようになった。そしていつの日からか、共有の家計口座からは、彼のジムの月額費や肉代、高額なサプリメント費用として毎月8万円近くが消えていった。

でも、由香がお金のこと以上に辛かったのは、「2人で食事を楽しむ時間」が消えてしまったことだった。