「もっと増やしたい」が止まらない理由

節約と同じように資産形成を始めると、意外と陥りやすいのが「もっと増やしたい」という感覚です。

当初は老後資金や子どもの教育資金など、一定額を期日までに作るために始めたものが、いつの間にか、「まだ足りないかもしれない」「もっと増やしたい」と思うようになることがあります。

そうした気持ちが強くなると、必要以上にお金を使うことを避けるようになり、節約や運用で資産を増やすこと自体が目的になってしまいます。

だからこそ、資産形成では目標を持つとともに、それを常に意識することが大切です。目標がない中での資産形成は、ゴールのないマラソンをし続けるようなもの。一方、「どれくらい貯めればいいか」という目標があれば、自ずとペース配分も分かり、今の生活のために使ってもいいと思えるお金のことも考えやすくなります。

長く続けられる資産形成をめざそう

例えば、10年後までに1,000万円の資産を作ることを目標にした場合を考えてみましょう。運用をしない場合、つまり年利0%のときには毎年100万円を積み立てる必要があります。一方で、運用によって一定のリターンが得られるなら、必要となる積立額が少なくなります。

もちろん、年10%や15%のような高い利回りを毎年実現し続けることはできません。それでも、資産運用を活用することで、資産形成に必要な負担を軽減できる可能性があるのは事実です。

 

収入を増やすこと、支出を減らすこと、そして資産を運用すること。どれも資産形成には欠かせません。

ただし、収入を増やそうとして無理をし過ぎれば身体を壊すかもしれませんし、節約し過ぎれば生活の楽しみが減ってしまうかもしれません。高いリターンを追い求めれば、大きなリスクを抱えることにもなりかねませんし、詐欺に引っかかることすらあるかもしれません。

大切なのは、どれか一つを極端に頑張ることではなく、3つのバランスを取ることです。将来の安心のために準備を進めながら、今の生活も楽しむ。5年や10年ではなく、20年、30年という長い時間軸で考える。そうした視点を持つことで、自分にとって無理のない投資額や、心地よく暮らせる支出水準が見えてくるはずです。

資産形成の目的は、あくまでも将来への安心と、今の充実した暮らしの両方を実現するためにあるものだということは忘れないでおきましょう。特に相場が良くて、資産運用がうまくいっている時ほど忘れがちですが、運用成果を追いかけること自体が目的になっていないかを振り返ることも大切です。

時に立ち止まり、長く続けられるペースかを確認してみたり、たまには自分や家族にご褒美をあげたりしてみるのも、長く続けるうえでは必要なことかもしれません。