主要マーケットの見通し:債券市場

高止まりする米国長期金利 構造的財政赤字が重石に

米国の金利上昇が高止まりしています。米国とイランの停戦合意期待で原油価格が低下したあとも、タームプレミアム※1の高止まりは続き、7月末には10年債利回りは25年1月以来の4.74%、30年債利回りは07年以来の5.2%台まで上昇しました。金利が高止まりしている根底には米国の構造的な財政赤字が存在していると推察されます。

26年初に発表された米議会予算局の年次財政・経済見通しでは、ドーマー条件※2の成立を前提として名目10年債利回りは4.3%と現在より低めに設定されたにもかかわらず、利払い費/歳入比率は25年度の18.5%から36年度には25%超まで拡大継続の見通しが示されました。歳出面では、高齢化に伴う社会保障費等の義務的経費や利払い費が増額される一方、国防費が対名目GDP比ベースで算出開始の1962年度以降で最低水準まで減少する見込みなどが寄与し、名目GDP比の財政赤字は25年度の5.8%から36年度に6.7%と緩やかな上昇に留まることが想定されています。ただ、財務省の月次財政統計(MTS)によれば、国防費は年度当初から7月までの累積額が過去最高の8040億ドルまで拡大しました。9月末期限となる27年度予算案では、国防関連費を26年度1兆ドルから1.5兆ドルへと大幅増額を要求しており、予算可決は難航しています。

この先、財政赤字の拡大が顕在化し更なる国債増発が懸念された場合、タームプレミアム主導で金利の高止まりが続き、景気への悪影響と利払い増による財政悪化懸念の悪循環に陥るリスクには細心の注意が必要と考えます。

※1 : 長期債を持つために投資家が要求する上乗せ利回りを指す。※2 : 経済成長率が利子率を上回る場合、債務の負担は相対的に軽くなり、財政赤字が持続可能であることを示す経済学上の条件。

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関連リンク:https://www.resona-am.co.jp/market/report_s/2026/260819_m.pdf

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