2026年後半の投資環境見通し:サマリー・投資戦略
サマリー:株・債券の相関の高まりに適応した運用戦略必要に
2026年後半の投資環境は「緩やかな景気拡大」と「緩和的な金融環境」が維持され、株式をはじめとするリスク性資産が相対的に優位な展開を続けると見込まれます。
ただし、足元でみられるインフレの高止まりは、構造的な変化として定着する可能性が高い点に留意が必要と考えます。
米・中対立を軸に世界の分断が進む中、法や外交よりも軍事力が影響力を強めており、今般のイラン紛争のような地政学リスクが、今後も繰り返し顕在化することが懸念されます。こうした情勢は、原油や食料などの国際商品価格の高騰を常態化させ、中長期的なインフレ押し上げ要因になると考えられます。
また、冷戦終結後のグローバル化と新興国の台頭は、長らく、サプライチェーンの最適化を通じて世界的なディスインフレ要因として機能してきました。しかし、グローバルな分断が深刻化する現在、国や企業の優先事項は「コスト」から「供給の安全保障」へとシフトしており、物価が上昇しやすい構造へと変化しています。その結果、世界の中央銀行は、政策の主軸を“経済成長”から“インフレ抑制”へと傾斜させています。市場では、従来のような「中銀プット※」が期待しにくくなり、株式と債券の相関性が高まりやすい環境が続くと予想されます。
こうした環境下で安定的なリターンを確保するためには、これまで以上に機動的に資産配分を見直すことが重要となります。併せて、伝統的資産である株式や債券との相関が低い「オルタナティブ資産」をポートフォリオに組み入れる意義も、これまで以上に高まると考えられます。
※:景気減速懸念などで株価が下落した際、中銀が緩和姿勢を示すことで株価がすぐに反転する傾向のこと
