「大家」と「クレカ」の独自路線 武器は好採算の継続収益

丸井グループは「マルイ」や「モディ」などの商業施設を運営する企業です。とはいえ、一般的な小売企業と異なり、収益の多くは「家賃収入」で構成されます。

丸井グループの「小売」事業はショッピングモールに近く、不動産収入が柱です。26年3月期は小売事業の売上収益の過半をテナントからの家賃収入が占めました。一方、一般的な百貨店ビジネスである消化仕入は4.0%にとどまります。

もっとも、全体の稼ぎ頭は「フィンテック」事業です。クレジットカードの「エポスカード」が主力で、近年の成長をけん引してきました。26年3月期のセグメント営業利益は470億円と、小売の同112億円を大きく上回っています。

丸井グループのセグメント営業利益(2016年3月期~2026年3月期)
 
出所:丸井グループ 決算短信より著者作成
 

丸井グループのクレジットカード事業の特徴は、グループ外での利用が多いことです。公表がある21年3月期は、ショッピングクレジット取扱高のうち96.8%をグループ外の加盟店が占めました(22年3月期以降は合算して表示)。

流通企業のクレジットカード事業は、販促などの目的から、小売事業に付随する形で展開されるケースが典型的です。しかし、丸井グループはグループ外での利用が中心で、小売事業に依存しない収益源の獲得に成功しています。

丸井グループは、これら継続的な収益を「リカーリングレベニュー」と定義します。リカーリングレベニューは採算も高く、単独の売上総利益率は91.1%に達し、連結売上総利益の68.1%を占めています(26年3月期)。好採算かつ継続的な収益が、同社の安定性を支える強みです。