社会保険は負担が増えるだけでない
一方で、社会保険は「負担が増える制度」という側面だけではありません。
厚生年金に加入すれば、老齢厚生年金が増えるだけでなく、障害厚生年金や遺族厚生年金も手厚くなります。
さらに、健康保険には傷病手当金という制度があり、病気やケガで働けなくなった場合には所得補償を受けられる可能性があります。
「年金なんてどうせもらえない」
そんな声を耳にすることがありますが、現在の公的年金制度の財政検証では、少なくとも現在のところ破綻するような試算はありません。
法人経営者であれば、役員報酬の額を調整することで社会保険料をある程度コントロールすることも可能で、役員退職金や確定拠出年金等を利用し社会保険料の算定対象に含めず受け取ることもできます。
また、今回の佐々木さんのような場合ですと、60歳になれば国民年金の加入義務がありませんから、法人を解散して個人事業主に戻れば国民健康保険料だけの負担で済む可能性もありました。
重要なことは、制度や仕組みを理解したうえで、自社に合った設計を考えることです。安易に自己判断することなく、専門家に相談しながら適正化していくことが大切です。