父はいくらで買ったのか? 購入証明書が見つからない

さらに、金の延べ棒自体は確認できたのですが、その購入証明書は家中どこを探しても見つかりませんでした。購入証明書がないと、父がいくらで金を買っていたのかが分かりません。延べ棒を売却する際に取得費が不明だと、取得費を売却して得た利益の5%で計算して課税されるというルールがあるとネットに書いてありました。要は、95%が利益と判断されてしまうわけです。

ここ数年で金価格は相当上がっていますが、それにしても、95%が利益というのは酷すぎます。

3歳年上の妻は5年ほど前に義父の相続できょうだいともめたばかりで、「延べ棒が2本だと娘3人で分けられないじゃない。あの子たちに将来無駄な争いをさせないように、あなたの目が黒いうちにしっかり現金化しておいてね」と釘を刺されたこともあり、取得費が分からないのもゆゆしき問題でした。

とはいえ、税金に関してはド素人の私がネットを見てあれこれ考えても一向にらちが明かず、これはもう、その道のプロにお願いするしかないと、税理士のマッチングサイトを検索して見つけたのが由良さんでした。

新聞記事に「相続の相談は経験豊富な相続専門の税理士に頼むのがいい」と書いてあり、最初は大手の税理士法人を探していたのですが、やり取りをする中で、そういう法人から見れば私など取るに足らない顧客に過ぎないことを思い知らされました。それならば親身になって相談に乗ってくれそうなフットワークの軽い税理士さんの方がいいと、独立したばかりの由良さんへの依頼を決めたのです。

そして、結果的にそれは大正解でした。

●期限ギリギリ、書類なし、家族のプレッシャー……。三重苦の佐藤さんを救ったのは、1人の若手税理士でした。家族の将来まで見据えた遺産分割の結末は? 後編【「楽勝だと思っていたのに」亡き父の“金”で狂った相続計画…51歳男性の「すぐに売らない」判断が大成功した理由】で詳説します。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。