「金の延べ棒2本」に大歓喜したものの…
ところが、父が亡くなって四十九日の法要も済ませた後、母から驚くべきことを聞かされました。なんと、父の遺産に金の延べ棒があるというのです。それも1kgの延べ棒が2本もです。当時のレートで1g=1万1000円としても、時価は2000万円以上になります。
田畑や農機を手放した時に購入していたらしく、「うちの大事なお宝だから、ゆくゆくはお前に引き継いでほしいと思ってたみたいよ」と母が言いました。
それを聞いて最初は歓喜しました。
当時は3人の娘が上から大学2年、高校3年、高校1年。全員が私立に通っていて、教育費がピークに差し掛かっていました。そんなタイミングで期待していなかった親の遺産が2000万円以上も転げ込んできたのですから、うれしくないわけがありません。
しかし、いざ相続となった時には、この金の延べ棒が大きな重しになりました。
公務員の父は夫婦で暮らすには十分な年金を受け取っていたらしく、退職金はほとんど手付かずの状態で残っていました。退職金と実家の不動産、さらに金の延べ棒を合わせると相続税の非課税枠4200万円を軽く超えてしまいます。母は配偶者の税額軽減(配偶者は法定相続分か1億6000万円まで非課税で相続できる制度)が使えるようですが、私が相続した分にはガッツリ相続税がかかってきます。
これは厄介なことになるぞ、と思いました。
