繰下げしても遺族年金は増えない
繰下げによりこの報酬比例部分は65万5000円程度(156万円×42%)増額されていますが、この繰下げ増額分は宏美さんへの遺族厚生年金の計算の基礎には含まれません。
また、遺族厚生年金は差額の支給となるので、宏美さんの老齢厚生年金20万円が差し引かれることになります。
このため、宏美さんがもらえる遺族厚生年金の額は、117万円-20万円で97万円となるわけです。
宏美さんが受給する年金の総額は、老齢基礎年金(振替加算込み)が85万円、老齢厚生年金が20万円、遺族厚生年金が97万円、合計202万円となります。
計算ルールを確認しておくべき
「せっかく繰下げ受給にしたのに夫は長生きできなかった。せめて私の遺族年金だけでも多くもらえればと思ったけど、遺族年金まで増えるわけじゃないのか……」
宏美さんは少々がっかりしたものの、計算ミスではないことを理解したのでした。
繰下げ受給による増額はあくまで本人が長生きした場合に備えるもので、遺族厚生年金には影響しません。
配偶者亡き後にも備えておきたいのであれば、遺族厚生年金が思ったより少なくても慌てないように、その計算方法をあらかじめ確認しておく必要があるでしょう。
※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
