ベテラン担当者のサポートで、葬儀も一段落と思いきや…

担当者の方は話し好きで、新生活運動についていろいろ教えてくれました。それによると、新生活運動のルーツは戦前の中国で、世界史の教科書に出てくる蒋介石が提唱したのだそうです。それが戦後の日本でも導入され、一時期は政府や地方自治体、大企業などの後押しもあって全国的に広まったようですが、高度成長期を経て、今は一部の地方だけに残る慣習になってしまったのだとか。

それでも、亮真の地元では大きな葬儀だと新生活運動専門の受け付けも用意するくらい、今なお、この制度が浸透しているようです。

担当者の方からは、家族葬であっても義父の仕事仲間や近所の方、友人、知人などが葬儀の前にお別れに来てくれることがあるので、会葬御礼は多めに用意しておいた方がいいというアドバイスを受けました。

実際、義父は社交的な性格で地元の知り合いも多かったようで、葬儀の始まる前には30人近くの方が焼香に訪れてくださいました。会葬御礼は当初予定していた数では全然足りなかったので、担当者の方の言う通りにして本当に良かったと思いました。

亮真も相変わらず慌ただしくしていましたが、葬儀当日の朝には実家に駆け付け、私が用意しておいた礼服に袖を通して無事に喪主の務めを果たすことができました。

ですが、これで一段落かと思いきや、実はこの後、香典絡みのとんでもないトラブルが待ち受けていたのです。

●合理的なはずの「新生活運動」が、なぜトラブルに発展してしまったのでしょうか? 後編【「返礼不要と言ったのに」10万円包んできた義伯父が猛クレーム…「常識がない」と罵られた妻の困惑】で詳説します。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。