原口奈緒さん(仮名)は大学時代のサークル活動で出会った亮真さんと結婚して5年になります。亮真さんは結婚後、院生時代の仲間と会社を立ち上げてから超多忙となり、帰宅は連日深夜です。そんな状態なので、2年前に亮真さんのお父さんが亡くなった時は大変だったそうです。亮真さんの両親は20年近く前に離婚していて、奈緒さんと、当時は就職したばかりだった亮真さんの妹の夕貴さんの2人で、死後の手続きや葬儀の手配など一切合切を仕切ることになったからです。亮真さんの出身地である関東の地方都市では、冠婚葬祭を簡素化する独特の慣習があります。神奈川で生まれ育った奈緒さんには物珍しい半面、納得感のあるものでしたが、それが原因で地元の名士である義伯父(亮真さんのお父さんの兄)との間にトラブルが生じてしまいます。「地方は人間関係が煩わしいという話をよく聞きますが、ああ、こういうことかと腹落ちしました」と話す奈緒さんに、トラブルの詳細をうかがいました。

〈原口奈緒さんプロフィール〉
東京都在住
32歳
女性
会社員
夫と賃貸住宅に2人暮らし
金融資産1200万円(世帯)

多忙な夫に代わり義父の葬儀の準備をすることに

私は中堅旅行会社の商品企画部に在籍している会社員で、今年で結婚5年目になります。子どもはいません。

夫の亮真は結婚した頃は企業の研究職でしたが、3年前に大学院時代の仲間と起業。この3年間は立ち上げた会社を軌道に乗せるために奔走する毎日で、家に帰らないこともしばしばです。本人も、私より仕事仲間の方が家族のようになっていると自虐しています。

2年前に亮真のお父さんが病気で亡くなった時もそんな状態で、「もちろん葬儀には出るけれど、葬儀会社の打ち合わせや役所の手続きはお願いしていいかな?」と頭を下げられました。