投資への不安から企業年金の実態まで 話し合いで深掘り
グループディスカッションの冒頭で、森戸教授から学生たちに対し、投資に対する率直な感想だけでなく疑問やネガティブな意見なども歓迎する旨が呼びかけられた。あるグループでは、投資に興味はあるが口座開設までには至っていないという学生から、「長期投資の重要性は理解しつつも、日々の価格変動が気になり、現金で保有する方が安心感がある」と値動きへの不安が共有された。
企業年金制度について話が弾んだ班からは、「なぜ確定給付企業年金(DB)からDCへの転換が進んでいるのか」という質問があり、森戸教授がディスカッションに飛び入り参加、背景を解説した。DBは積立不足を財務諸表に計上する義務(オンバランス)があり企業の財務リスクとなる。一方、DCは毎月の拠出で完結し追加負債を抱えない(オフバランス)ため、財務への影響を抑えられるDCの導入へと企業は大きくシフトしている現状がある。
さらに近年は転職市場でもDCの有無が影響する傾向がある。転職先にDCの受け皿がない場合、前の会社のDC資産はiDeCoへ移換することになるが、その手続きの手間や煩雑さなどへの懸念から、DC制度の有無が転職先選定の一因になるケースもあり得る。こうした雇用市場の変化も企業がDC導入を進める1つの要素とみられる。企業実務や雇用情勢などの具体論と結びつけた森戸教授の解説に、学生たちは制度理解を深めていった。
